ワシントンD.C.で2つの事件が発生した。ひとつは、ドラッグ中毒の黒人青年スタッグが射殺され、ピザの配達人も銃撃され意識不明の重症となった事件。もうひとつは気鋭の国会議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)の秘書ソニア・ベーカーが地下鉄で事故死したというものだった。この知らせを受けたコリンズは、マスコミの前で醜態をさらしてしまう。実はコリンズはアン(ロビン・ライト・ペン)という長年連れ添った妻がいながら、ソニアと不倫の関係にあったのだ。マスコミは早速このスキャンダルを大々的に報じるが、ただ一人、コリンズの大学時代からの友人でワシントングローブの敏腕記者カル・マカフリー(ラッセル・クロウ)だけは、この騒ぎを苦々しいおもいで見ていた。その夜、カルの前に現れたコリンズは、ソニアが自殺することなどありえないという。
スタッグの事件を追うカルは、スタッグの遺品である携帯電話を調べ、驚くべき事実を発見する。なんとスタッグがソニアの携帯に電話していたことが判明したのだ。さらにスタッグの恋人から、窃盗の常習犯だったスタッグが最後に盗んだブリーフケースの中身がソニアを盗撮した写真や拳銃だったことを聞き出したカルは、まったく無関係に思えた2つの事件が裏でつながっているのではないかと直感。インターネット版を担当する若手女性記者デラ(レイチェル・マクアダムス)と組み、さらに調査を続けるのだが・・・。
本作は「ステート・オブ・プレイ/陰謀の構図」というイギリスで2003年に全6回で放送されたテレビドラマをハリウッドで映画化した作品。ちなみに日本ではNHKのBS-2で2008年秋に放送され、今年のお正月に再放送されました。
イギリス版では石油会社とイギリス政府との癒着が核だった物語を、民間軍事会社とアメリカ政府との癒着に置き換えた物語は、アメリカの暗部に光を当てつつ、さらには、巨大メディアの傘下に入らなければ生き残れない今の新聞社の苦悩も程よく盛り込まれていて、見応えがあります。ドキュメンタリーを得意とするケヴィン・マクドナルド監督や、脚本のトニー・ギルロイ(「ボーン」シリーズ「フィクサー」)やビリー・レイ(「ニュースの天才」「アメリカを売った男」)といった社会派エンターテインメントを得意とする人たちのセンスがいかんなく発揮されているといっていいでしょう。豪華俳優陣の競演も映画ファンとしては見ていて楽しく、特に、どんな妨害があろうとパワフルに突き進む主人公の新聞記者カルを、でっぷりと太ってふてぶてしい感じが似合うラッセル・クロウが好演しています。
ただ、本来全6回、単純計算でも6時間の物語を2時間にまとめるというのはやはり少々強引な感じもします。特に、テレビ版に残っていた設定を結構いろいろと残してあり、ちょっと詰め込みすぎの印象がありました。たとえば、主人公の新聞記者カルと友人の議員スティーヴンの妻アンが以前不倫したことがある、などという設定は果たして残しておく必要があったのか?疑問が残ります。特にラストのどんでん返しが、軍事企業と政府の癒着という、本来追及されるべき巨悪の物語から個人の問題にすり替わってしまい残念でした。
公式サイト
http://www.kesareta.jp/
ドラマ版サイト(NHK BS-2)オチまですべて書かれています。映画版も同じオチなので、サイトに行く場合はご注意を。
http://www9.nhk.or.jp/kaigai/stateofplay/
ケヴィン・マクドナルド監督作品
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