記事検索
 

2011年10月07日

猿の惑星:創世記(ジェネシス)

今日は『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』についてです。珍しく初日に鑑賞、その日のうちに感想を書いています(笑)。

サンフランシスコの製薬会社研究所に勤める神経化学者ウィル(ジェームズ・フランコ)が実験用に観察していた一匹のチンパンジーに驚くべき知能が示された。そのチンパンジーには開発中のアルツハイマー病の新薬が投与されていたが、突如暴れ出し、警備員に射殺されてしまう。だがそのチンパンジーは妊娠しており、ウィルは生まれたばかりの赤ん坊猿を自宅に連れ帰り“シーザー”と名付けて育てることにする。3年後、ウィルのもとですくすくと育ったシーザーは、家の中を縦横無尽に駆け回るようになった。ウィルとシーザーとの間には強い絆が生まれており、同時に母親のチンパンジーの特殊な遺伝子を受け継いだ彼は、類いまれな“知性”を発揮し始めていく。新薬が脳を活性化させる効果を確信したウィルは、研究所から持ち出したその薬をアルツハイマー病の父・チャールズ(ジョン・リスゴー)に投与、すると翌朝、彼はそれまで悪化していた病状が嘘のように生気を取り戻す。5年後。ウィルは動物園の獣医キャロライン(フリーダ・ピント)と相思相愛の仲になり、体長5フィートにもなったシーザーは、より複雑で多様な感情を表すようになっていた。そんな折、チャールズが再び病状悪化の兆候を示し、隣人とのトラブルを引き起こす。その様子を屋根裏部屋から目撃したシーザーは、チャ−ルズを助けようとしてその隣人を傷つけてしまい、霊長類保護施設に入れられる。檻に閉ざされた施設で、シーザーを待ち受けていたのは飼育長の陰湿な虐待だった。その一方で、なかなか施設内の猿のコミュニティに溶け込めずにいたシーザーは、チンパンジーの群れを率いるボスとの争いに勝利を収め、全ての猿たちをひとつのグループにまとめ上げていく。その頃、ウィルはより強力に改良した新薬の実験を行うが、猿への投与中に薬を浴びたウィルの同僚が原因不明の体調不良を訴えた後、夥しく出血、謎の死をとげる。ウィルは施設を訪れるが、シーザーはウィルが差しのべる手を拒絶。知性に目覚め、人間の愚かさに失望し、ウィルさえも想像できない驚異的な進化を遂げたシーザーは、このときすでにある決意を固めていた。やがて高い知能を駆使し施設から脱出したシーザーは、今や固い絆で結ばれた仲間のチンパンジーらと共に、人類との壮大な全面戦争へとなだれ込んでいく……。


初めて本作の企画を知ったときにはその内容に対して非常に懐疑的でした。そもそも10年ほど前にティム・バートンが作ったリメイク版がトホホな出来だったのに、今さら『猿の惑星』を映画化してなにを伝えたいのか?と大いに疑問だったんですね。しかも、監督はイギリス出身のルパート・ワイアットというほぼ無名の人物ですからね。ところが蓋を開けてみれば、これがビックリ、非常に高い完成度のSFエンターテインメントに仕上がっているではありませんか。以下に本作のどのあたりを素晴らしいと感じたかを書いてみようと思います。

まず、猿が知能を持っていく理由付けが非常によくできているなと感じました。ある科学者が開発したアルツハイマーの治療薬を実験のために投与されたことによって知能が発達してしまう。人類にとって福音となるべく作り出されたものが、やがて自分たちの首を絞めることになってしまうという皮肉めいた展開がいいですね。そもそもオリジナル版の一作目も、冷戦まっただ中という国際情勢に対する警告を発した内容だったわけで、一作目とはまた違う、テクノロジーの発達と人類が神の領域にまで踏み込んでいくことへの警告をうまくおり込んだ脚本が素晴らしいと思います。

ドラマ性も非常に高い。アルツハイマーの父を救いたいがために新薬の開発をすすめる科学者の苦悩や、科学者とシーザーが本当の家族のようになっていくくだりの温かみがていねいに描かれています。そのため、後半の、虐げられ、絶望的な気持ちになった彼が、仲間を率いて人間に対し反旗をひるがえそうと決意していく過程に一層説得力が感じられるのです。

そしてなんといってもすごいのがそのCGのクオリティ。なんと本作では本物の猿は一匹も使用せず、パフォーマンスキャプチャーで俳優の動きをコンピューターに取り込んだ後、それを元に作ったCGで表現しているんですね。しかもそのクオリティの高さが半端じゃない。CGであることを忘れ、サルたちの名演技に感情移入することは間違いありません。また、クライマックスでサルたちが街中を暴れまわるシーンでは、猿たちの運動能力の高さを、CGだからこそのダイナミックなカメラワークで見せてくれて、非常に興奮しました。

主役の猿の名前であるシーザーは、シリーズ4作目『猿の惑星・征服』に登場する反乱を起こす猿のリーダーの名前だったり、ゴールデンゲートブリッジで猿を捕獲するために騎馬隊が出てくるシーンはシリーズ1作目で猿が退化した人間を捕まえるシーンを連想させるなど、オマージュもきちんと盛り込んであります。

『猿の惑星』の名に恥じない傑作SF映画だと思います。是非劇場に足を運んでほしい作品ですね。超おすすめ!

満足度:★★★★☆と半分(5★満点)

公式サイト
http://www.foxmovies.jp/saruwaku/

シリーズBOXセット&サントラ、シリーズ1作目の原作小説

この記事を気に入っていただけたら、1クリックお願いします。:blogranking

posted by 支配人見習い1号 at 23:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画 (サ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映画の内容が深く伝わる素晴らしいあらすじと感想ですね。
是非参考にしたいです。
ただ、気になったことがあります。

あらすじの最後で、
「人類との壮大な全面戦争へとなだれ込んでいく」と表記していますが、
「人類」、「全面戦争へとなだれ込んでいく」という表現は言い過ぎではないでしょうか。


まず今回の映画では「人類」と言うほど多くの人達と衝突してません。新薬の開発をしていた会社と、橋の上での警察官程度です。

また、「全面戦争へとなだれ込んでいく」とありますが、シーザーは戦おうとしたというよりかは、逃げようとしたの方が近いと思います。自由を求めに森へ向かう途中の人間の妨害活動をなるべく死人や被害を出さずにすり抜けようとしただけなのですから。

もしかしたら続編では全面戦争になっているかもしれません。しかし、ルパート・ワイアット監督は、続編では戦争と共存の2パターンを考えているようなので、戦争と述べるのはやはり時期尚早かと思います。
Posted by 通りすがり at 2011年10月10日 04:48
通りすがりさん、コメントありがとうございます。感想もおほめいただき、非常に嬉しく思っております。

さて、あらすじについてなのですが、このあらすじは公式サイトのストーリーのページを参考にしており、「全面戦争へとなだれ込んでいく」という表現もストーリーのページで使われているものです。

ただ、映画本編の流れから考えれば、通りすがりさんのご指摘はごもっともであり、確かに「全面戦争云々」という表現は本編の内容からは少し逸脱していますね。

折を見てもう少し本編の展開に即した形でのあらすじに書きなおそうと思います。ご指摘ありがとうございました。
Posted by 支配人見習い1号 at 2011年10月10日 23:24
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/229420586

この記事へのトラックバック
タグクラウド