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2012年05月29日

裏切りのサーカス

今日は本年度のアカデミー賞で主演男優賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされた『裏切りのサーカス』についてです。

東西冷戦下、英国情報局秘密情報部MI6とソ連国家保安委員会KGBは熾烈な情報戦を繰り広げていた。そんな中、英国諜報部<サーカス>のリーダー、コントロール(ジョン・ハート)は、組織幹部の中に長年にわたり潜り込んでいるソ連の二重スパイ<もぐら>の存在の情報を掴む。ハンガリーの将軍が<もぐら>の名前と引き換えに亡命を要求。コントロールは独断で、工作員ジム・プリドー(マーク・ストロング)をブダペストに送り込むが、ジムが撃たれて作戦は失敗に終わる。責任を問われたコントロールは長年の右腕だった老スパイ、ジョージ・スマイリー(ゲイリー・オールドマン)と共に組織を去ることとなる。直後にコントロールは謎の死を遂げ、引退したスマイリーのもとに<もぐら>を捜し出せという新たな命が下る。標的は組織幹部である“ティンカー”ことパーシー・アレリン(トビ―・ジョーンズ)、“テイラー”ことビル・ヘイドン(コリン・ファース)、“ソルジャー”ことロイ・ブランド(キアラン・ハインズ)、“プアマン”ことトビー・エスタヘイス(デヴィッド・デンシック)の4人。過去の記憶を遡り、証言を集め、容疑者を洗いあげていくスマイリー。浮かび上がるソ連の深部情報ソース<ウィッチクラフト>、そしてかつての宿敵・ソ連のスパイ、カーラの影。やがてスマイリーが見い出す意外な裏切り者の正体とは……。(KINENOTEより)http://www.kinenote.com/main/s/?cinema_id=49466


本作はスパイ小説の大家であり、自分も実際にイギリスの諜報機関で仕事をしていたことがあるジョン・ル・カレの『ティンカー、テイラー・ソルジャー、スパイ』を、『ぼくのエリ 200歳の少女』の世界的ヒットで注目されたスウェーデンのトーマス・アルフレッドソン監督がメガホンをとり映像化した作品。

1970年代、冷戦まっただ中で世界が西と東に引き裂かれていた時代。そんな時代を象徴するかのような曇天の空のもとで繰り広げられる裏切り者探しの虚しさとほろ苦さ。かつては共に理想に燃えていたであろう仲間を狩り出すために、地道に情報を集め、分析し、真実に近づいていく主人公、スマイリーの全身から漂う、すり切れたような、疲れきった姿が印象的。またそれは彼だけでなく、他の登場人物にも言えることで、スパイという職業の過酷さが身も心も疲弊させるのだということが画面からひしひしと伝わってきます。

ついに明らかになる裏切り者の正体。それが決定的となる理由の一つが、親友、いや、もしかしたら恋人同士だったのかもしれない裏切り者ともう一人の男の愛情であるというのは皮肉です。そういえば、トム・ハーディ演じるリッキー・ターもイリーナとの恋は成就しないし、スマイリーの部下であるピーターギラムは、任務のために同棲していた同性愛の恋人と別れるハメになるし…・。人を欺き、その心の隙をつく必要のあるスパイという職業につくものは、人を愛することなど許されないということなのかもしれません。

本作を見る上で一つ注意していただきたいのは、名前や通称を覚えなければならない登場人物が多く、過去と現在を行ったり来たりする物語の構成なども相まって、実はかなりついていくのが大変な話であるということです。実際、公式サイトにアクセスして自動で始まる予告を閉じると、今度は「鑑賞前:ご一読ください」というタイトルのあらすじを載せたウィンドウが開くくらいですから。未見の方ははじめに公式サイトで予習をしてから本編をご覧になることをおすすめします。

公式サイト
http://uragiri.gaga.ne.jp/

DVD&Blu-ray、2012年11月2日発売

原作、サントラ&iTunes版サントラ

原作(Kindle版)

トーマス・アルフレッドソン監督作品

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posted by 支配人見習い1号 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 (ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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