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2007年05月09日

ハンニバル・ライジング

今日は、「ハンニバル・ライジング」を鑑賞してきました。20世紀最大のアンチ・ヒーロー、ハンニバル・レクターの物語もついに4作目。今回は、「ハンニバル」のその後ではなく、彼の少年〜青年期にわたる、復讐と恋の物語です。

第2次世界大戦中のリトアニア。裕福な貴族の家に生まれたハンニバル・レクターは、妹のミーシャと平和に暮らしていた。しかし、ここにも戦争の影が近づき、レクター家の人々は森の奥深くにある山小屋へと非難する。ある日、彼らの前に水の補給を願うソ連兵が戦車に乗って現れるが、そこにドイツ軍の爆撃機もまた現れ、ソ連軍と交戦状態となってしまう。巻き添えとなったレクターの父親と母親は死亡し、生き残ったのは幼いレクターと妹のミーシャだけとなってしまった。それからしばらくして、2人のもとに5人の男たちが現れる。グルータス(リス・エヴァンズ)をリーダーとする彼らは、ナチスに協力し、さまざまな略奪行為を働くならず者たちであった。ソ連軍につかまることを恐れるかれらは、食料が底をつきはじめても山小屋を出ることができない。そしてとうとう、空腹にさいなまれた彼らは恐ろしい行為に及ぼうとするのであった・・・。
それから8年後。青年となったレクター(ギャスパー・ウリエル)は、孤児院に引き取られていた、皮肉にも、彼とその家族が暮らしていた居城を改装した孤児院に。ある日孤児院を脱走した彼は、つてをたよってフランスに流れ着く。そこには1年前に死んだ彼のおじと結婚していた日本人女性、レディ・ムラサキ(コン・リー)が住んでいたのだ。彼女のもとで東洋の文化を学び、平穏に暮らすレクター。ある日ムラサキと市場に買い物に行ったレクターは、そこでムラサキが肉屋の男に侮辱されるところに遭遇する。後日、ムラサキの日本刀を持ち出した彼は、肉屋を殺して首を切り落とす。
最年少で医学校に進学したレクターは、埋もれた記憶を呼び覚ます自白剤の存在を知る。夢に現れる、幼い日の恐ろしい記憶。妹がどうなったのか、そして山小屋に現れた男たちの顔は・・・。自らに薬を注射し、記憶を呼び覚ました彼は、妹を殺し、その肉を食らった男たちに復讐することを誓う。一人、また一人と男たちを血祭りに上げていくレクター。しかし、その先には彼が決して認めたくない恐ろしい真実が待っていた・・・。

まずはじめに思ったのが、原作のダイジェスト版みたいだなあということ。まあ、小説の映画化作品ではよくあることですが、もう少し違った設定や展開の刈り込み方があったのでは?という気がします。原作者であるトマス・ハリス自身が脚本を書いているということで興味があったのにちょっと残念。特に、一番の肝といえる、レクターがレディ・ムラサキから西洋の価値観とは異なる日本の文化・芸術を学んでいくシーンがほとんどカットになっているのは実に惜しい。確かに、日本人の感覚からすると、正直違和感を感ずる部分ではあるのですが、かなりいろいろと日本文化を調べた上で作品に盛り込んでいるのが伝わってきて、日本のレクターファンに対するファンサービスという感じもあり、個人的には嫌いではなかったのでもう少し残しておいてほしかった。

今回若きレクターを演じているのは、ギャスパー・ウリエル。妹を殺された復讐に燃え、レディ・ムラサキに対する恋心に戸惑う、今までとは違うレクター像を好演していると思います。とくに、目がいいですね、目が。顔立ちが必ずしもアンソニー・ホプキンスに似ているわけではないのだけれど、あの目を見ているうちにレクターの若いころは確かにこんなだったのだろうという不思議な説得力を感じさせられます。また、彼に日本文化を教え、レクターの初恋の人ともなる日本人女性、レディ・ムラサキを演じるコン・リーも妖艶な大人の女の魅力を発散していて、復讐に燃えるレクターも彼女の前ではウブな感じに見えるから面白い(笑)。ただ、欲を言えば、実際に日本人の女優に演じてもらいたいところ。しかし、いないものなあ、英語もできて国際的に活躍する日本人の若手女優なんて。一応、工藤夕貴がいるといえばいるけれど、ちょっと彼女ではイメージが違うし・・・。

監督のピーター・ウェーバーもいい仕事をしているのではないでしょうか。「真珠の首飾りの少女」で注目され、どちらかといえば文芸作品を得意にするのかと思っていたので、本作のようなサイコスリラー作品のメガホンをとるとは思っても見ませんでしたが(でもこの人、リメイク版「バーバレラ」の監督の話もあったんだよね)、絵画的な美しさの映像でハンニバルの復讐劇を彩ります。

レクターシリーズの中では、どちらかといえば佳作という言い方がぴったりのような気がする作品です。レクター=アンソニー・ホプキンスのイメージをいったん頭の中から追い出し、若き日のレクターの青春物語と猟奇的な復讐劇を大人のための残酷童話として楽しむのがよいでしょう。なお、まだ原作を読んでいない方は、本編を見てから、原作を読むことをオススメします。

公式サイト
http://www.hannibal-rising.jp/

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posted by 支配人見習い1号 at 23:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 映画 (ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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「ハンニバル・ライジング」美しい顔に飛び散る鮮血!
Excerpt: 「ハンニバル・ライジング」★★★☆ギャスパー・ウリエル 、コン・リー 主演ピーター・ウェーバー 監督、2007年、フランス芸術を愛し、美食家、驚くべき知能の高さと反面に見せるグロテスクさ。人間誰もがも...
Weblog: soramove
Tracked: 2007-06-02 22:57
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