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2016年08月01日

シン・ゴジラ

今日は『シン・ゴジラ』についてです。

2014年にハリウッドで製作されたゴジラの新作映画に触発される形で、日本人の手でゴジラをもう一度スクリーンによみがえらせるべく作られたシリーズの最新作。総監督、脚本に『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明を抜擢したことでも話題の作品です。

初代ゴジラが戦争と核兵器の恐怖を体現する存在だったように、今回のゴジラは東日本大震災と福島第一原発事故を体現する存在として日本人の前に姿を現します。

本作では、謎の生物としてのゴジラの生態や、ゴジラ出現による政府の対応の仕方を徹底的にリアルに描写。意味があるとは思えない会議を繰り返し、各所にお伺いを立てなければ何も動かない日本の官僚組織の悪癖の描写などを見ていると、あの原発事故の時の政府や東電の右往左往ぶりを思い出す人も多いことでしょう。また、多くの市民がスマホで写真や動画をとり、それがネットにアップされるさまや、被害に遭い、がれきの山と化した都市の情景など、未曽有の災害が起こった時の日本の姿がしっかりと描写されています。

そんな数々のリアルな描写にあわせ、今回ゴジラはフルCGで製作されています。「日本の特撮の伝統は着ぐるみだろ」と思う人が多いでしょうし、庵野監督自身も大の特撮ファンですから、フルCGを選ぶというのは大英断だったと思うのですが、自分は大正解だったと思います。CGにすることで、実際に撮影した映像にゴジラを合成しているため、非常に説得力のある映像に仕上がっていると感じました。もちろんミニチュアワークなども要所要所できちんと使われているようで、新しい技術と伝統の技術がこれまで以上に見事に融合しているところもまた、今回のゴジラの見どころの一つでしょう。ちなみに伝統ということでいうと、今回のCGゴジラの動きを担当したのは狂言師の野村萬斎なんですね。正真正銘日本の伝統芸能がゴジラに活かされているというのが面白いです。

そして、全編を貫く庵野節とでもいうべき独特のスタイルが本作の一番の特徴でしょう。明朝体でしつこいくらいに表示される人名や地名、早口でしゃべる登場人物たち、電柱や線路、高層建築などといった人工物に対する愛情を感じさせるカメラワーク、ゴジラの倒し方を考えるはぐれ者たちがネルフを彷彿とさせるところなど、エヴァで見せた彼のスタイルが本作でもいかんなく発揮されており、さながらゴジラmeetsエヴァンゲリオンといった趣があります。そう考えると、ゴジラ自身も、その放射能光線のはき方や、その他の攻撃方法などにエヴァに出てくる使徒を彷彿とさせるものがあるな、とも感じます。なんというか、ゴジラという名前の新手の使徒という感じですね(笑)。この辺りは少し賛否が分かれるかもしれませんが、私は十分ありだなと思います。

特定のヒーローが活躍する話ではなく、多くの人間が一致団結してゴジラに立ち向かう群像劇となっているところや、ゴジラの倒し方もまた前例がない興味深い方法がとられ、非常に新鮮でした。まさか電車をあんな風に使うとは。未見の方にも早く劇場で確かめていただきたいですね。そして、自らの命を顧みず、作戦に志願した人々の活躍に福島の事故の際、放射能に汚染される危険を知りながら冷却のための放水に尽力した人々の姿が重なり、あの時の緊迫した状況を覚えている人であれば、ぐっと胸を締め付けられるような気持になることでしょう。これもまた、これまでのゴジラ映画では考えられなかったことだと思いました。

かつて特撮作品にあこがれ、その後アニメの道に進んだ庵野監督が、今度は自らの原点というべき特撮の世界でその才能を存分に発揮した素晴らしい作品でした。絶対に劇場の大きなスクリーンで見るべき作品です。

公式サイト
http://www.shin-godzilla.jp/

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庵野秀明監督作品


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posted by 支配人見習い1号 at 23:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 (サ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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