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2016年09月12日

君の名は。

今日は『君の名は。』についてです。

監督、脚本のみならず、原画や動画をもほぼ一人で書き上げたという衝撃のデビュー作『ほしのこえ』でアニメ界にさっそうと現れた新海誠監督の最新作。すでにご存じの通り、現在記録的な大ヒットとなっております。なんでも土日2日間で動員68万8000人、興収9億3000万円、しかも公開日の金曜日も含めると3日間で動員は95万9,834人、興収は12億7,795万8,800円!新海作品最大のヒットなどという言葉では生ぬるい、まさに社会現象といっていい状況になってますね。10代女子を中心に、これまで新海作品を知らなかった層を大量に取り込むことに成功したようで、自分も劇場に足を運んだら、これまでの新海作品とは明らかに客層が違うというか、劇場の雰囲気が違うので戸惑ってしまいましたよ。

ここ数年は『星を追う子ども』『言の葉の庭』など、それまでとは少し趣の違う作品作りに取り組んできた新海監督。しかし、監督にとって最大規模の大作であり、事実上のメジャーデビューといっていい本作を、これまでのような熱心な新海ファンやアニメファンだけではない、もっと一般的な客層へと浸透させるためにとったのは、ズバリ、原点回帰。ひかれあうのにすれ違う思春期の少年少女、SF的というか、宇宙と人とのつながりを感じさせる設定、そして、主人公たちが抱える問題が、そのまま世界の命運にかかわってしまうという、俗に言うセカイ系としての要素。近作ではあえて避けてきた要素に正面から取り組んでいる、という印象を受けました。

しかし、それでいて過去の新海監督作品とは違う、思春期の少年少女だからこそのひたむきさとか、溌溂とした感じとかが見いてすごく気持ちがよかったですね。例えば、『秒速5センチメートル』の主人公、貴樹も、栃木に引っ越した初恋の少女、明里のもとを訪ねようと大雪の中、遅れまくった電車を乗り継いでいくんだけど、そこにはひたむきさもあるといえばあるけど、とにかく悲壮感が漂ってたからなあ。でも本作の主人公、瀧とみつはは、お互いのすれ違いをのりこえていく力強さがあるんですね。そこがいいし、そういうキャラクターでなければ、後半のシリアスな展開を大逆転させるというシナリオは書けないですよ。

また、そんなキャラクター達をデザインした田中将賀や、作画監督を担当した安藤雅司の力もやはり大きい。かわいらしさはあるけれど、萌えキャラというほどでもなく、アニメファン以外の人にも親しみやすさを感じさせるちょうどいい塩梅のデザインという感じがありました。そもそも、これまでの作品では、背景美術が非常に美しい分、キャラデザは正直ちょっと印象が薄い感じがありましたからね。今回初めて、背景と同じくらいキャラが立っていたと言えるのではないかと。それから、もちろん音楽を担当したRADWINPSの力も大きいでしょう。テーマ曲である「前前前世」の持つ疾走感、これまでの新海作品にはなかったものなあ。新たな才能が新海作品のクオリティをさらに高めているということを実感しました。

後半のシリアスな展開という点でいえば、これまでの新海作品では、現実に起こった出来事をモチーフとした何かが描かれるということはなかったのですが、本作では東日本大震災を彷彿とさせるある出来事が描かれるのもこれまでとは違った印象を受ける部分でしょう。これを描くことで、セカイ系によくある自分と恋人以外眼中にないみたいな話ではなく、主人公の周囲の人たちも巻き込んだより大きくて、スリリングな展開を描くことに成功していると思うし、より開かれた、多くの観客が共感できる物語になったと感じました。

新海監督が、これまでの自分らしさと、あえて一般層に受ける要素を見事に一つにまとめ上げ、なおかつ記録的大ヒットという結果をも出してしまった、奇跡的な作品です。まだ見ていないという人も絶対に劇場に足を運んでほしいし、もう見たという人にもまた足を運んでほしい(実際リピーターも多いようですね)傑作です。

公式サイト
http://www.kiminona.com/index.html

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posted by 支配人見習い1号 at 00:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 (カ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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