1944年、未だ内戦の混乱が尾を引くスペイン。読書が好きな少女オフェリア(イバナ・バケロ)は、ビダル大尉(セルジ・ロペス)と再婚する母親(アリアドナ・ヒル)とともに、彼が駐屯する山小屋へとやってきた。しかし、ビダル大尉は残忍な男であり、妊娠中の母親は体調が悪いなど、オフェリアにとって新しい生活はつらいものでしかなかった。その夜、母親と同じベッドで眠りにつくオフェリアの前に、不思議な昆虫が現れる。それは昼間、山道で見かけた石の塚から現れたものであった。「あなたは妖精さん?」そう語りかけるオフェリアの前で昆虫は本当に妖精に変身、彼女を庭の奥にある迷宮へと誘う。オフェリアを待っていたのは、ヤギの頭を持つ牧神パン(ダグ・ジョーンズ)。彼はオフェリアに驚くべきことを告げる。彼女は、地底にある魔法の国の王女モアナの生まれ変わりだというのだ。そして満月の夜が来る前に、3つの試練を乗り越えれば両親の待つ魔法の国に帰ることができるという。パンの言葉を信じたオフェリアは、パンからもらった”道を標す本”を開き、試練に立ち向かう決心をするのであった。
日本のコミックやアニメが大好きで、自らを「メキシコのトトロ」と呼ぶ(笑)、ギレルモ・デル・トロ監督。そんな監督が自らのイマジネーションをフルに駆使して作り上げたの本作「パンズ・ラビリンス」です。
読書好きの少女が、戦争、望まない母の再婚、サディスティックな義父、といった過酷な現実を乗り越えるために足を踏み入れる幻想の世界。そこには、恐ろしい化け物が跳梁跋扈し、乗り越えなければならない試練が待ち受けています。監督の豊かな想像力から生み出された異形の魔物たちは本当にグロテスクで、大人も思わず震え上がりそうなものばかり(特に、手のひらに目がついてるやつは絶対に会いたくないぞ(笑))。しかし、そんな化け物がいたとしても、その世界に浸り、スリリングな体験をしているほうがいいと思えるほどに、現実の世界は少女にとって残酷。生きるために軍人である新しい夫と結婚しようとする母親のなかに現実に疲れた一人の女の姿を見、軍人である義父の暴力性と身勝手さ、そして尾を引く内戦の悲惨さ・・・。でも、現実が過酷であるほどに幻想はさらに輝きを増していくものなのでしょう。だからこそ、クライマックスの悲劇においても、幻想の世界が少女に救いを与えてくれるのですから。
ファンタジー=子供向けと思っている方、そして仕事や人間関係など現実に疲れた方(笑)におすすめしたい、美しくも悲しい作品。今年見た中では個人的にはかなりお気に入りの作品です。
公式サイト
http://www.panslabyrinth.jp/
ノベライズ版&サウンドトラック
ギレルモ・デル・トロ監督作品
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>自らを「メキシコのトトロ」と呼ぶ
それ、本当?(笑)
たしかに、宮崎アニメの影響も受けていますね。特に、「森=精霊」の捉え方。