今日は、ダイアン・レイン主演のサイコスリラー「ブラックサイト」を見てきました。
FBI特別捜査官のジェニファー(ダイアン・レイン)はコンピュータ犯罪のエキスパートとして、若き相棒のグリフィン(コリン・ハンクス)とともに日夜インターネットを監視し、ネットを利用したさまざまな犯罪を取り締まっていた。そんなある日、彼女のもとにあるサイトの情報が寄せられる。そのサイトの名は「killwithme(一緒に殺そう).com」。アクセスしてみると、そのサイトではネズミ捕りにつかまり、えさももらえず衰弱している猫の映像が生中継されていた。早速そのサイトにアクセス制限をかけることを試みるものの、サイトの運営者はネットの技術に関して相当なエキスパートであるらしく、いとも簡単にサイトが復活してしまう。しかも、サイトに関する情報をFBIにもたらしたのは運営者自身らしいのだ。そして事態はさらに恐ろしい展開を見せることとなる。今度は、縛りつけられもがく上半身裸の中年男性の映像が生中継され始めたのだ。しかも裸の胸に一緒に殺そうという文字が刻み付けられており、出血を早めるために抗凝血剤が投与されている。そして、その量はPCで調節されるようになっており、サイトへのアクセス数が増えれば増えるほど投与量が増え、早く死にいたるようになっていたのである。この前代未聞の事件に、ジェニファーは地元の刑事ボックス(ビリー・バーク)と協力して捜査を進めてゆくことになるのだが、やがて彼女自身も犯人の標的とされてしまう・・・。
最近話題の学校裏サイトや、ネットで紹介されたことによる硫化水素を使用した自殺、また掲示板での誹謗中傷などなど、ネット上もしくはネットが関連したさまざまな事件の話題が毎日のように報道される昨今。そして、ネット上にはびこる悪意というのはもちろん日本だけの話ではなく、世の中の流れをいち早く取り入れるハリウッドは早速ネット上の悪意をテーマとした作品を作ってきました。
インターネットを使って拉致した人間の公開処刑を行い、しかもサイトへのアクセス数が増えれば増えるほど早く絶命するようになっている・・・。なんとも恐ろしい設定です。ですが、この設定には単なるフィクションとは片付けられないようなリアリティが感じられてしまうのが何より恐ろしいですね。実際、人間の処刑は極端でも、冒頭の猫の虐待くらいならやってのけてしまう人間がいるのではないかという気さえしてしまいます。実際、今までにも動物の虐待写真をネットで公開して逮捕された事件や、最近では、米軍の兵士が子犬を崖から放り投げる動画が公開されたりして物議を醸している世の中ですから。
もうひとつ怖いのは、もしもこんなサイトが現れたとき、自らの好奇心を抑えられるのかということです。サイトの中で行われていることはいけないことだとわかっていても、果たしてアクセスせずにいられるのか、見るものの倫理観を揺さぶるところにこの映画の設定のうまさを感じます。
また、意外なほど早く犯人がわかるのにちょっと驚かされましたが、この映画、犯人探しの部分には力点を置いておらず、犯人もまた、ネット上の悪意の犠牲者であったという設定にすることで、悪意が次なる悪意を引き起こしてしまうという負の連鎖をも描き、以外なほど社会派のエンターテインメントに仕上がっているところにはうならされました。もちろん、犯人の仕掛ける拷問や、クライマックスでの犯人と主人公の攻防戦など、ホラーやサスペンスとしての面白さも抜かりはありません。このあたりは、職人系監督グレゴリー・ホブリットの手堅い演出のなせるわざと言えるでしょう。見る前に想像していたよりも、良質のサスペンスムービーでした。
公式サイト
http://www.sonypictures.jp/movies/untraceable/
グレゴリー・ホブリット監督作品
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